急性咽喉頭炎
ウイルスや細菌の感染がのどに起こる病気です。一般的に風邪はのどに風邪のウイルスが感染しておこる病気で、多くが自宅で安静にしていると自分の体からウイルスをやっつける抗体ができ治っていきます。しかし、そこに細菌の感染が加わるとなかなか風邪のが治らず、発熱が続きのどの痛みがおさまらないケースがあります。風邪をひいても仕事や学校、育児でなかなか安静に休めない方が感染する場合が多いです。
▼ 治 療
細菌の感染が疑わしい場合は抗生剤の内服、また発熱、痛みの症状の軽減のために解熱鎮痛剤や抗炎症剤の内服、うがいも行います。外来ではネブライザー(細かい霧状の蒸気に抗生剤や抗炎症剤が含まれている)を行います。発熱や痛みが強いケースは点滴をおこなうこともあります。
▼ ドクターより
数日様子を見ても風邪の症状が軽減せず悪化する時は、早めの受診をお願いいたします。
咽喉頭異常感症
のどの違和感がありますが、いろいろ調べても原因がはっきりせず浮上する病気です。傾向として比較的多く見られるのは、自立神経のバランスや女性ホルモンのバランス自律神経のバランスや女性ホルモンのバランスの乱れ(更年期障害)が見られる方です。
▼ 治 療
特に原因がない場合は経過観察でよいと思われますが、漢方や自律神経系の薬が効くケースもあります。
▼ ドクターより
痛みはないけれど、のどに何かあるような感じがする時はこのような病気が原因の可能性もありますのでお気軽にご相談ください。
逆流性食道炎(胃食道逆流症、咽喉頭酸逆流症)
胃から出る胃酸が逆流すると、食道だけでなくのどにも逆流した胃酸が到達し、食道に加えてのどにも炎症をおこすことがあります。胸焼け、げっぷ、のどの違和感(つまったような感じ)、痰が絡んだような感じや声枯れなどが典型的な症状です。
▼ 治 療
胃酸を抑える薬を内服します。
▼ ドクターより
食事の後ですぐ横になると、胃酸の逆流がおきやすくなりこの病気を引きおこすこともあるので気を付けましょう。
口内炎
口の中や舌、場合によってはのどにできるアフタとよばれる粘膜の浅い潰瘍です。
▼ 原 因
主に、ストレスや疲れ、ビタミン不足などが原因であると言われていますが、特殊なケースとしてヘルペスなどのウイルスによるものもあります。ウイルスが原因の場合、口のなかからのどまで潰瘍が沢山でき、痛みがひどくなることもあり注意を要します。またベーチェット病などの自己免疫疾患や癌などの悪性疾患が原因である場合もあります。
▼ 治 療
まずはステロイドの軟膏を塗ります。それで多くのケースは治りますが、ウイルス性のものは抗ウイルス薬の内服やステロイドの内服などを行ないます。明らかなビタミン不足の際はビタミン剤の内服も行います。
▼ ドクターより
通常は2週間ぐらいで治り予後良好な原因が多いですが、治らない場合は上記の自己免疫疾患や悪性腫瘍のこともまれにあるので注意を要します。口内炎が1〜2週たっても治らない場合は受診をして下さい。
急性喉頭蓋炎
[ 急性喉頭蓋炎 - 正常] | [ 急性喉頭蓋炎 - 発症] |
口から空気を吸うとそれがのどから気管、肺に流れていきます。そののどに喉頭(声をだす声帯があるところ)があります。その一部に喉頭蓋という、口から入る食べ物が空気の通り道に入らないように喉頭に蓋をする組織があります。そこに細菌やウイルスが感染しおこる病気です。喉頭蓋は空気と食べ物の通り道の一部なので、ここに感染が起こり腫れると、呼吸困難、痛み、ものが食べられない(飲み込む事ができない)、発熱などの症状が見られます。声が含み声になるのも特徴的です。
▼ 治 療
一刻も早い治療を要します。特に呼吸困難を起こし窒息になるケースもあるので、入院の必要があります。点滴から抗生剤やステロイドの投与、腫れがひどく呼吸困難の時は気管切開(首の前から気管に穴をあけそこから呼吸する)が必要な時もあります。
▼ ドクターより
この病気は急性に進行し呼吸困難をおこすことがあり耳鼻咽喉科の中でも最も重篤な病気の一つです。
風邪や扁桃炎の時ののどの痛みと違い、もっと奥が痛かったり、のどの奥が腫れて息苦しい感じがしたりするときは一刻も早い受診をお願いします。